自分なりのストーリーやテーマを写真に加える楽しさを!大城亘写真教室「アルバムづくりにも活かせる、組写真の楽しみ方」レポート

REPORT

「写真にね。工房で感じる人の温もりや優しい光を拾い上げて、表現してくれる」そう、おきなわいちばの編集部から評価されるフォトグラファー・大城亘さん。

同編集部が開催した『日々の写真展』(10月6日〜15日)、その一つとして「アルバムづくりにも活かせる、組写真の楽しみ方」をテーマに、大城さんの写真教室が行われました。

結婚式や子どもの成長をストーリーとして伝えられる「組写真」の魅力から、インスタグラムにも活用できる考え方をお伝えします。

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パズルのように組み合わせることで、写真の可能性は無限大に広がる

はじめに、写真家ウィリアム・エグルストンがMOMAで開催された展覧会(1976年)に合わせて出版された写真集「william eggleston’s guide」をスライドに映しながら、組写真とは何かを大城さんが解説します。

oshiro
まず、1枚目2枚目と写真を見てください。パズルのように、共通する情報が散らばっていることに気づきませんか。

ぱっとわかる情報として、会場から声が挙がります。

鳥! 少女! 椅子!

ウィリアム・エグルストンの意図がそこに隠されているのです。

oshiro
僕たちが制作する写真集やアルバムには、読者に対して違和感なく情報を伝えるために、それぞれの写真にテーマやストーリーを組んでいるんです。

組写真の考え方は、インスタグラムにも応用することができます。

oshiro
例えば、青っぽい色味と沖縄の海。インスタに載せる写真のトーンを揃えることで、フォロワーにもすんなり情報が届けられます。

大城さんが制作したリクルートブックでは、50mm(標準レンズ)を使い、50枚ほど撮影しました。私たちが、普段見ているものと50mmの写真は距離感が一緒で、日常と変わらずに冊子を見てほしいといいます。

読者に想像力をかき立たせる 「記憶」と「街並み」


写真教室の後半では、久茂地を歩きながら、3枚の写真をもとに組写真を作るワークショップが行われました。組写真のレクチャーを受けた受講生は、街並みの中から自分なりの共通点を見つけます。

「おっ、黄色の服を着たカメラマンがいた」

「しかも、2人も!!」

組み合わせる対象は、景色だけではありません。

人や看板、ときには自分自身の思い出や記憶も、組写真を見る読者にとって想像をかきたてる情報となります。

oshiro
僕は、主観性がある写真も好きなんです。本日、撮影した写真も5年10年と寝かしておくと、客観的な写真に変化し那覇の記録として組み合わせることができるのです。

「写真を撮った日と場所、まったく異なるもので組めるか」という課題を設けて、大城さん自身も撮影を行います。

先に、会場に戻ってきた14名の受講生は、街中で撮影した写真やお持ちになった写真を床に並べて、うーんと悩む姿も。

oshiro
セレクトした写真を床に並べてもらうのも良いですね。組写真では、前後の順番を変えることで全体の構成が変わります。僕も、編集者と一緒に「ああでもない、こうでもない」と繰り返しながら、本の構成を考えています。

カメラ越しに過去の写真を見ながら、どのように組み合わせることができるのか。受講生各々がテーマを作りながら、3枚の写真を選んでいきます。

「日常に写真がある生活を楽しんでほしい」組写真を通して自分らしさを表現する

では、先ほどの黄色のカメラマンに共通点を見つけた受講生は、どのような組写真を考えたのでしょうか。

受講生一人ひとりが前に立ち、組写真を説明します。

「黄色を軸に、黄色の服とコインパーキングの写真を並べて、右側から流れるような構成を考えた」といいます。

oshiro
写真の良し悪しではなくて、本日の内容を汲み取って、実行できたのはすごい。黄色をテーマにした写真集ができるかもしれないですね。

本日から、黄色を見つけたらシャッターを切ると良い、と加えてアドバイスを送りました。

写真教室の最後に、大城さんが組み合わせた写真とポイントを解説されました。

「那覇にある公園の様子と、ベトナムで撮影した写真を組み合わせました。レンズとカメラは同じもので、写真同士が木によってつながっているようになりましたね」(大城)

組写真をきっかけに、細かな視点を持つこと。そして、部屋にもこうした写真たちを飾ってもらいたい。日常に写真がある生活を楽しんでほしいという大城さんの思いで教室は締めくくられました。

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制作者の哲学や考え方を知るきっかけになる組写真の魅力を伺い、写真の可能性を大いに感じました。私も、撮影した写真が未来の記録媒体として活かせるように、おきなわダイアログのイベントを撮り続けたいです。

(撮影・記事 水澤陽介)

おきなわダイアログ インフォメーション

場所:沖縄県那覇市久茂地2-15-8 フージャース那覇久茂地ビル
(最寄りバス停:若松入口)
期間:2017年9月〜2019年1月末(予定)
コワーキング利用料金:1時間:500円、1日:1,000円(飲み物付き)
営業時間:11時〜20時 ※イベント時除く
営業日:水曜日休み ※イベント時除く
運営・内装施工:カラクリワークス株式会社
物件提供:株式会社フージャースホールディングス