「ヒトとコトをデザインする」デザイン思考ワークショップ -共感から生まれるイノベーション- レポート

REPORT

「デザイン思考」とは、ユーザー目線での「モノの考え方」と「モノ作り」のメソドロジーで、シリコンバレーで生み出されている多くのサービスや企業がデザイン思考を応用し、イノベーションを起こしています。

プロダクト開発や物事の仕組みの改善など、様々な問題解決に応用できます。では、デザイン思考とは何か。

今回、「五感すべてを用いたデザイン」をコンセプトに取り組むSenspoint Design Inc. の大見謝若菜さんをお迎えします。前半では、デザイン思考について事例を交えながら紹介し、後半はワークショップとして課題に取り組んでもらいました。

ヒトから社会へ デザインを機能させる

沖縄県の北部から教育に関わる方や石垣島からデザイナーさんなどが会場にお越しくださって、「デザイン思考」とは何かを参加者同士で探求していきます。

はじめに、「デザインとは何か?」を講師の大見謝さんから解説されました。

皆さんもご存じかと思いますが、かのAppleの創設者・スティーブ・ジョブズさんは、

「Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.(見た目や感じがどうこうというだけがデザインじゃないんだ。デザインとどう機能するかという事なんだ)

とデザインそのものの役割を伝えています。

さらに今、流行っている「インタラクションデザイン」と呼ばれるユーザーと製品とのインタラクションに関するデザインが注目されていて。

詳しくいえば、「コンピューターと人との関わり」「人と人との関わり」「行動のデザイン」「サービスデザイン」「ユーザーエクスペリエンスデザイン」の観点から、ユーザーそのもの行動の流れをデザインできるんです。

例えば、政府から「働き方改革」が働きかけられて、企業ではさまざま取り組みが行われているなか、そもそも働き方改革は手段であり、どう機能させるかはデザインすることができると大見謝さんは言います。

これからのデザインは「モノづくり」と「コトづくり」

私たちから直接的に見える「見た目のデザイン」。

具体的には、ビジュアルやロゴと呼ばれるグラフィックデザインは一般的でありますが、デザインによって影響を及ぼすエリアとして広義となります。

建築や量産可能なコンシューマーグッズなどの工業デザイン(2nd Order)

関係や経験のデザイン(3rd Order)

環境や生活に取り巻く物事のデザイン(4rd Order)

4つの種別にデザインが分かれるなかで、デザインについて大見謝さんはこう伝えます。

デザインを考えるうえで、モノとコトを変えること。基本的なベースとなります。例えば、持ち運びできる電話機から携帯電話、iPhoneへ変わってきたなかで、機能を追い求めてもすぐに廃れてしまいますよね。

モノとコトを融合するデザインをつくることで、的外れなソリューションとなりがちな技術中心プロダクトからユーザーのニーズを満たすという真の価値を提供できるのです。

「デザイン思考とはマインドセット」いかに本質的な問題をつくか

さて、デザインによって沖縄の地域課題を解決しようと、クリエイティブなものをつくろうと考えるときしばしば陥るのが…ぐるぐると絡まった糸のような複雑な迷路に迷い込んでしまう、頓挫してしまうことではないでしょうか。

大見謝さんから、「そもそも、クリエイティブとは効率が悪い」と前提を理解したうえで、デザイン思考とは何かを伝えられました。

デザイン思考とは方正式やツールではなく、マインドセットです。「これあったらいいな」というドラえもん的なサービス開発法でなく、「問題の真髄は何か」を模索し、解決に導いて行くメソドロジー。

だからこそ、いかに問題を解決するかではなく、「いかに本質的な問題をつくか」を考える必要があるのです。

デザイン思考では、IDEOが提唱する「共感」「問題提起」「解決策の提案」「プロトタイプ」「テスト」を約2週間をかけて、製品などをつくりあげていきます。

「共感から生まれるイノベーション」当企画の表題のように、デザイン思考での「共感」に関して丁寧に大見謝さんは解説していきます。

デザイン思考では、女性脳から考えることから始まります。

まず、夫婦やカップルとの男女の会話とママ友や女性友達との会話を思い出してください。

たとえば、悩みを吐露したとき、男性はついつい解決しようとしがちですよね。でも、本当は女性側が求めているのって共感、女性同士や女性脳を持っている男性ならそこを汲みとって、対話を広げていきます。

デザイン思考を考えるなかで、まずはユーザー目線で共感すること。つまりユーザーが抱えているペイン(解決されなけれならない問題)をリサーチするからイノベーションがスタートすると思うんです。

デザイン思考をより実感してもらうために、アイスクリームにおけるペインを共に考えたり、「問題提起」「解決策の提案」「プロトタイプ」「テスト」の一つひとつを大見謝さんからレクチャーしてもらいました。

加えて、ワークショップとして参加者同士でパートナーを組んで、「飛行機で旅行体験」をリデザインするをテーマに、デザイン思考のプロセスで体験していきます。

デザイン思考ワークショップの参加者から、

「デザイン思考を学んでモヤモヤが晴れるのではなく、この状況がいいんだと。新規事業に生かしていきたい」

「わたしたちが学校で子どもたちに教えていることとデザイン思考との共通点がわかった。体系化して教育現場でも教えていきたい」

と感想をもらいました。熱量が最後まで持続した会となりました、ご参加くださった皆さん、講師の大見謝さん、ありがとうございました。

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