行政・病院では手が届きにくいサポートへの挑戦は始まったばかり…コミュニティナーストークイベント レポート

REPORT

「あのね」「そうなんだね」

まちの中で顔を合わせて何気ない会話交わす。白衣は着ていない。病院でなくまちの中にいる。人とつながりまちを元気にする。いつも地域の中にいて〝健康的なまちづくり〟をする医療人材「コミュニティナース

そもそもコミュニティナースって何だろうってね。どんな活動があるのか、地域と医療とともに可能性はあるのでしょうか。

5月28日に、おきなわダイアログで開催された「コミュニティナーストークイベント」について。

大阪から生きがい応援ナース・ふーみんさん、そして沖縄県生まれのレキオンリンクス・ゆきまるさんが普段の取り組みを交えながら語ります。

*本イベントは、お二人がコミュニティナースプロジェクトの同期生であり、実現されました。そのため、過去に受講したコミュニティナースプロジェクトの様子についてもお伝えしてもらいました。

自分の生きがいをも失いそうだった…

ふーみんさんが、なぜ生きがい応援ナースとして活動するようになったのか。それは当時、看護師として病院勤め1年目のとき、「何のために働いているんだろう?」と悶々とする日々を過ごしていたことがきっかけだったそう。

人の命に関わる仕事のため、業務を覚えることが多く、また多忙な日々を送るなかで、病院に通うおじいさん、おばあさんに「いつも笑顔で頑張ってて偉いね」と励まされながら働いていました。

ただ、すこしずつ看護師を志した自分、そして仕事への生きがいを失いつつあったと言います。

生きがいを見つけることって、私もそうで本当に必要なことで。病院で働いていたとき、日々の生きがいをなく過ごしている方と「孫の結婚式に出るのが楽しみだな」と語る方では、表情が違うんですよね。活き活きしていて。

わたし、個人として人生の活力に変えていく、変わっていく姿を応援したいと生きがい応援ナースとして取り組んでいます。

恩師からのメッセージで、未来の自分の在り方が変わる

「ナースとして、(命の)教育からのサポートを行なって生きよう!」と決めて、ゆきまるさんは20代後半から看護専門学校に入学しました。授業の一環で、恩師から伝えられた言葉によって、これからの人生が変わったそう。

わたしたちは、一生涯ストレスと付き合っていきますよね。だから、それぞれのストレス耐性を身につけてもらうような「ストレスコーティング」の概念が大切だと思うんです。

病院に通って病気を治すためのサポートも大事、でも予防医療として病気にかからない、かかりにくい身体づくりとストレス耐性に強い人へのサポート、ゆきまるさんにとって目から鱗だったそう。

だからこそ、予防医療やストレスになりうる対象についてどう免疫をつけてもらうか、ナースとして、また人としての向き合う姿が変わっていきました。

医療・福祉の課題は山積だから…自分は何ができるの?

目標は違えどコミュニティナースになるべく、研修を受けた二人にとって、病棟を離れ、それぞれが持つ得意を生かせる、また伸ばせる環境で新たなチャレンジを始まっています。

生きがい応援ナースとして、おじいちゃんとおばあちゃんにおはなしを伺いますが、多くは病院に行くこと自体がハードルを感じていますよね。

そう語るふーみんさんは、コミュニティナースプロジェクトの一環として、街や公園に足を運び、おじいちゃん・おばあちゃんをナンパして、ヒアリングを重ねてきました。

おじいちゃん、おばあちゃんを一人にしない。孤独こそが日々の生きがいを失っていき、健康ではなくなる原因だとわかりました。

だから、わたしはナンパと称しておはなしするのも、孤独になりそうなおじいちゃん・おばあちゃんを孤独にしない、そうならない入口を作りたいからなんです。

「日本を救う!おじいちゃん・おばあちゃんが活き活きと踊り出すオリジナルPVを作る」プロジェクトでは、孤独をなくすためにおじいちゃん・おばあちゃん限定でSNSやオンラインコミュニティをつくっていき、ライブ配信でお互いに顔をみながら、おはなしできる場をつくっていきたいんです。

「高齢者」と一括りにしないで!

沖縄県の中部にある中城村で、地域医療としておじいちゃん・おばあちゃんに対して、ストレス緩和や予防医療の大切さを伝えるために「ちゃ~がんじゅう体操」を教えているゆきまるさん。

わたしたちは、高齢者というフレーズを使いますが、簡単に枠に当てはめてはいけないとゆきまるさんは言います。

地域に住む90歳をこえる元気なおじいちゃんから伺ったのは、わたしたちを高齢者と一括りにしてほしくない、ということ。

たとえば、一般的に高齢者の定義は65歳以上、たとえ90歳をこえる方であも「高齢者」といっちゃいますよね。でも、65歳と90歳では「親と子」ほどの年齢差があるため、会話はあわないし、相手に気を使ってしまうそうで。

必ずしも行政ではすべてまかえないところがありますし、コミュニティナースとして、地域に住む人たちをサポートできる仕組みをつくっていきたいんです。

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昨今、高齢者たちとの関わり方、社会福祉からの観点、課題についてニュースで取り上げられる機会が増えてきました。

行政や病院での役割、そして地域での役割。コミュニティナースに関わらず、たくさんの人たちがサポートしているなかで、個人としてどうサポートしたいのか、軸を大事にしたいのか。

これは、コミュニティナースと一緒に考えること、その始まりをここおきなわダイアログで開催できたこと、うれしく思います。

ふーみん / 生きがい応援ナース

ゆきまる / レキオンリンクス

前回のコミュニティナースイベントはこちら。

「医療を目指すために知っておきたいことって、何?」に応えた 現場医療リアルトークイベント 「国公立医学部生」×「コミュニティナース」〜これからの医療との関わり方を考える〜